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★★★★★(大傑作)★★★★(傑作)★★★(普通)★★(イマイチ)★(駄作)☆は0.5 ★☆☆☆☆(客観的に観て傑作とは言い切れないが、個人的な思い入れが強い作品)
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ランド・オブ・プレンティ
2005 - 11/23 [Wed] - 21:05
監督:ヴィム・ヴェンダース/2004アメリカ/ドイツ/上映時間:124/英題:LAND OF PLENTY
評価:★★★★
配分(100):娯楽5芸術20社会45人間30
数々の傑作ロード・ムーヴィーを撮ってきたヴェンダース監督は、「アメリカの風景」を撮ることにこだわり続けている。それは文字通りの風景のみではなく、アメリカに住む人々の「心象風景」でもある。この作品は、アメリカ社会が抱えるさまざま病理を二つの手法で映し出す。ひとつはロサンゼルスの貧民街や寂れた田舎町トロナといったアメリカの風景を映すことで、もうひとつはポールという元ヴェトナム帰還兵の自称母国警備隊員を映し出すことで。
9・11以後、アメリカ人は自らが新たな脅威にさらされていることに気づき、それまでの価値観が崩壊し、そして混乱・分裂した。だがその記憶も徐々に薄れてゆき、人々は「平和な日常」に戻ってゆく。いや日常を生きざるを得ないのがそもそも人間というものだ。そしてアメリカ社会が抱えるさまざまな問題は、そこに自分がかかわらない限り忘却(あるいは見てみぬ振り)されてゆく。作中のポールの行動が、大量破壊兵器の存在を信じてイラクを攻撃するアメリカの政略と共鳴するのはいうまでもないが、ポールもある意味では、ヴェトナム戦争以来のアメリカ社会が抱える諸問題の犠牲者なのではないだろうか。
監督は「ロサンジェルスのダウンタウン、トロナ、そしてどこまでも続く開けた道というこの映画の3つの"場所"は、お互いに補い合って"もうひとつのアメリカ"を形作って」おり「社会的にも文化的にも欠乏状態にある現実を表している」と語っている。まさしく「豊穣の地」アメリカの見過ごされやすいもうひとつの現実が、この映画では映し出されるのである。しかしそれでもなお監督はアメリカの風景を美しく撮る。ポールとラナがヴァンに乗って旅する際の風景は相変わらず美しい。『パリ=テキサス』でもそうだったが、たそがれ時の風景を撮らせたら天下一品である。やはり監督はアメリカという地に希望を抱いてもいるのではないか。そしてその希望はラナという少女、そしてラストで現れたポールの心の変化に託されているのではないだろうか。
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監督:ヴィム・ヴェンダース/2004アメリカ/ドイツ/上映時間:124/英題:LAND OF PLENTY
評価:★★★★
配分(100):娯楽5芸術20社会45人間30
数々の傑作ロード・ムーヴィーを撮ってきたヴェンダース監督は、「アメリカの風景」を撮ることにこだわり続けている。それは文字通りの風景のみではなく、アメリカに住む人々の「心象風景」でもある。この作品は、アメリカ社会が抱えるさまざま病理を二つの手法で映し出す。ひとつはロサンゼルスの貧民街や寂れた田舎町トロナといったアメリカの風景を映すことで、もうひとつはポールという元ヴェトナム帰還兵の自称母国警備隊員を映し出すことで。
9・11以後、アメリカ人は自らが新たな脅威にさらされていることに気づき、それまでの価値観が崩壊し、そして混乱・分裂した。だがその記憶も徐々に薄れてゆき、人々は「平和な日常」に戻ってゆく。いや日常を生きざるを得ないのがそもそも人間というものだ。そしてアメリカ社会が抱えるさまざまな問題は、そこに自分がかかわらない限り忘却(あるいは見てみぬ振り)されてゆく。作中のポールの行動が、大量破壊兵器の存在を信じてイラクを攻撃するアメリカの政略と共鳴するのはいうまでもないが、ポールもある意味では、ヴェトナム戦争以来のアメリカ社会が抱える諸問題の犠牲者なのではないだろうか。
監督は「ロサンジェルスのダウンタウン、トロナ、そしてどこまでも続く開けた道というこの映画の3つの"場所"は、お互いに補い合って"もうひとつのアメリカ"を形作って」おり「社会的にも文化的にも欠乏状態にある現実を表している」と語っている。まさしく「豊穣の地」アメリカの見過ごされやすいもうひとつの現実が、この映画では映し出されるのである。しかしそれでもなお監督はアメリカの風景を美しく撮る。ポールとラナがヴァンに乗って旅する際の風景は相変わらず美しい。『パリ=テキサス』でもそうだったが、たそがれ時の風景を撮らせたら天下一品である。やはり監督はアメリカという地に希望を抱いてもいるのではないか。そしてその希望はラナという少女、そしてラストで現れたポールの心の変化に託されているのではないだろうか。
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